秘密の山小屋   その7

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最初から読まれる方はここ「キャンプへGOその1」からどうぞ。

秘密の山小屋 その6からつづく


久々に遊びに来た山小屋ですが、使用禁止の立て札が立てられてしまったのでした。


「なに?これ」

「ここで遊んじゃいけませんてさ」

「えええっ」

「ここでキャンプしてたってわかっちゃったかな」

「そりゃ見ればわかるだろ」

山小屋の中や周辺にはほとんど物を置いてありませんでしたが、前回、次に来るときのために、と残りの薪やカマドに使った大きな石などはそのままにしてありました。

ここでキャンプしていたことは一目瞭然です。

「でもまあ、今日はせっかく山に来たんだから少し遊ぶか」

「うん」

子どもたちはいつものようにターザンやブランコで遊びましたが、やはりテンションが上がりません。

私たちはそれを見ながら考えていました。


「どうしてここで遊んだりキャンプしたりしてたのがバレちゃったのかな?」

「ふーむ」

「この前のイノシシ狩りの人たち?」

「それはないだろう、あういう人たちはそんなことチクッたりしないさ」

いっしょにキャンプした友達も通報したりするはずがありません。

「この秘密の場所を知ってると言えば・・・」

「学校関係者!」

お別れレクで全職員と全校生徒が春休み前にここへ来て半日過ごしたのはたしか。

でも自分も遊んだ当事者なのに市役所に通報するでしょうか。

「先生たちの送別会やっただろう?」

「うん」

「あのあと何人かは街に繰り出してスナックで飲んだんだって」

「あ・・・・」

「飲みながら当然山の広場の話題にもなっただろ」

「ははーん、どこで誰が聞いてたかわからないもんね」

とにかくここへはもう来ない方がいいかも知れません。


あーあ、せっかく楽しい秘密の山小屋だったのになあ」

「台風に遭うまではまだまだ使える山小屋なのに、捨て置くのは惜しいわねえ」

「でも無断に山林を使用した、とか新聞に書かれてもまずいしね」

ここの地元の新聞には小さなこともすぐ記事になってしまいます。

しかも実名で載ってしまいます。

狭い島ですから、そうなると町に買い物にも行かれなくなってしまいます。



「もういいや、帰ろう」

「なんかあんまりおもしろくないや」

そりゃあ、そうでしょう。

市役所の人が休日にこんなことで見回りに来ることもないでしょうが、あんな立て札を立てられてはいい気分はしないです。

もちろん違反をしているのはこちら側ですから市役所は悪くはないのです。

『市の管理する山林で山小屋作っている人がいますよ』

などと市民からのタレコミがあったら、担当の人は何もしないでいるわけにはいかないのでしょう。

立て札を立てることくらいしか方法はないでしょうが、一応対処はしたわけです。

せっかく何週間もかけて山に通って作った段ボールの秘密のホームレス小屋・・・じゃなくて山小屋だったのに。

市役所の人はホームレスの人がここに住み着いていると思ったのかも知れません。

山小屋は解体して材料を持ち帰るということはせず、そのままにしてサッサと去ることにしました。



あれ以来、秘密の山小屋を訪れていませんが、もう今は段ボールのお家は残っていないでしょう。

雨に打たれて、何度か台風の風に吹かれて、バラバラになっているでしょう。

土に返る材料で作ったのがせめてもの幸いと思うことにしています。


   →イノシシ天国 その1につづく

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