秘密の山小屋 その5

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秘密の山小屋 その4からつづく


子どもたちといっしょに作業できるのは週に2日の休日だけです。毎週末は山に通って山小屋作りは続きました。完成まで数週間かかりました。


山小屋の脇で焚き火がパチパチと燃えています。

家族の他に誘った牧場の「野鳥さん」も山に来て火を見ながら酒を飲んでいます。

野鳥さんは野宿が趣味ですからこういう山の中の自然が好きなのです。


「いいですねえ、山小屋」

「そうだろう、雨が降っても泊まれるんだ」

「見た目は汚いけど」

外側は廃油のタールのような真っ黒い色です。

「なにしろ材料費がタダだからな」

夜になると暗い森の中、段ボール製のホームレ・・・じゃなくて山小屋。

そばで燃える焚き火のオレンジ色の炎だけがぼーっと明るく見えています。

外壁に塗った黒い廃油の色など気になりません。

「いいなあ、、森の中で火を焚いて。赤い火をじっと見つめているなんて」

家からすぐ近くですが遠くの島にキャンプに来たような感じがします。

「今度は知り合いも誘ってここでいっしょに酒飲みたいな」

西表島に渡って何泊もするキャンプとなると仕事を長く休めない人は参加できないし、装備も考えないといけません。

でも牧場から車で5分とかからないこの場所なら、気軽に参加できます。

車から荷物を運ぶときもリュックにきれいにパッキングする必要もありません。

「そうだね、サザエさんも誘えば子どもたちも喜ぶよ」

サザエさんというのは以前いっしょにキャンプに行った仲間の一人。

明るくよく笑う女性なので誰かがつけたあだ名です。

喜んで賛成するかと子どもたちの顔を見ると、昼間さんざん森の中でターザンやブランコをして遊んだから疲れたのでしょう。

火のそばで寝袋にくるまって眠っています。

これなら山小屋がなくても困らないようにも思えます。

でも冬の石垣島はそう晴天は続きません。

暖かいとは言っても日本海式気候なのです。

冬はほとんど毎日雨混じりの北風が吹きつけます。

天気が変わったらサッと山小屋の中に逃げ込みます。

翌週の休日、「サザエさん」やその友人、その他どういうきっかけて知り合いになったか忘れちゃいましたけど友人たち5~6人集まりました。

手作り山小屋の新築祝です。

私は初めて会ったような気のする人もありましたが、もうそんなことは関係ありません。

家族の友達は友達、そして友達の友達も友達というわけで、お互いに仲良くできればそれでいいのです。

「アレ?マキちゃん、何を担いで来たの?」

大きなもの、あまり重そうではないけど・・・。

「あ、布団だ」

「私、寝袋を持ってないんですよ」

「え?」

「だって、なんでもいいから寝る物をもってこいって言ったじゃないですか」

「ええ、まあ」

タオルケットか毛布ならわかるけど。マットレスを担いで来るとは。

「これでもいいですか?」

「あ、はい、いいですよ、なんでも」

こういうのも道路から近い森の中だからできることです。

西表のジャングルにキャンプに行くのだったら不可能でしたが。

マキちゃんは東京から島に移り住んで数年の若い女性。

今は隣村で陶芸をしている人の下で働いています。

仕事の都合で遅れてきた人も続々と山小屋に到着。

「この場所わかった?」

「道路にはみんなの車が並んで停めてあったし、少し森に入ったら焚き火の明かりが見えたし、声がしたからすぐわかりましたよ」

森に入ったら遠くはないけど、道路からだと全く見えない秘密の山小屋です。

たまたま道路を車で走って通りかかった人は、何もない山の脇に車が何台も停まっていて不思議に思ったかも知れません。

いえいえ、こんな山道を夜に通る人はまずいません。

火の周りで食べて飲んで、夜が更けていつの間にか眠って。こういうときは本物のカウボーイみたいですね。

翌朝用事や仕事がある人は早起きして出発して行きました。

時間のある人や子どもたちは名残惜しそうに、まだもう一遊びしてから片付けて帰ります。

「今度は学校の友達も連れて来たいな」

「どうせなら大勢で来たいな」

「それもいいかも。たいていの子はこういうの喜ぶと思うよ」


ということで全校生徒を連れて来ることになったのです。

子どもはいいんだけど、ここは市の林務課の管理する市有林です。


何かイヤな予感が・・・。

→秘密の山小屋   その6につづく

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