秘密の山小屋   その3

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最初から読まれる方はここ「キャンプへGOその1」からどうぞ。


秘密の山小屋 その2からつづく


山から帰って来ると、父さんはニヤニヤしながら設計図を描いています。

なんか楽しそうに見えます。

「何してるの?」

「フフフ、楽しいこと」

「山のキャンプの計画?」

「まあね、子どもたち喜ぶぞー」

たぶん一番喜ぶのは自分だと思うけど。

「テント張るんじゃなくて、いつでも使えるものを設置するんだ」


それから毎日、例の山の広場へ行って秘密の山小屋作りが始まりました。

「お前たち、学校が終わったら山に手伝いに来いよ」

「帰ったら宿題するんだけど」

「そんなのは夜でいい」

「はあ?」

「山は暗くなったら仕事できないだろう。勉強は夜でもできる」


山小屋と言っても大げさなログハウスを建てるわけではありません。

市の林務課が管理する森林の中にそんな物を建てられるわけはありません。




5m間隔に立っている、適当な太さの立ち木2本を選んでそれを柱に見立てます。

あまり高くなく低い位置に二股に枝分かれした部分がある気がよいのです。

木を切るわけにはいかないので二股部分に横木になる長い棒を渡します。

ちょうど昔の洗濯物干し竿の形です。

この横木から地面に向かって斜めにまた棒を立てかけます。

三角テントの骨組みになります。

これに布をかぶせればそのまま簡易テントです。

でも父さんはもっと手のかかることを考えていました。

横木から地面に斜めに立てた2本の木の間に。さらに何本も横に細い木や竹の棒を渡して紐で結びます。

立派な骨組みです。

布をかぶせるくらいならこんな丈夫な骨組みは必要ありません。

この骨組み作りだけで何日もかかります。

同時進行で段ボール箱をお店からもらって集めておきます。

休日になると家族で山の広場に遊びに、と言うか、

朝から作業をしに行きました。


「昼になったな。ここらでお弁当にしようや」

広場で腰を下ろしておにぎりを食べていました。

すると林の方からガサゴソと音がして男の人が現れました。

身なりからすると、この山でイノシシの狩りをしている鉄砲撃ちの人です。

「こんにちはー」

「はい、こんにちは」

鉄砲撃ちの人は広場を横切って反対側の林の中に入って行きました。

イノシシ狩りの人たちはふつう何人かで行動します。

イノシシを追うイヌを連れて山からイノシシを追う人たち、山の反対側でそれを待ち受けて迎え撃つ人たちの、ふた手に分かれて獲るのです。

イノシシはどの方向に逃げてくるかわかりません。

時には2~3ヶ所で待ち伏せをします。

私たちの昼食場所に出会わせた人は待ち伏せ隊の方のようです。

しばらくすると山の上の方でイヌ数匹の声がします。

「ワンワンワン」

イノシシを見つけたようです。

イヌの声がこちらに近づいてきます。

「ワンワンワン」

「こっちに来るのかな」

「ワンワンワン」

「わっ、出て来た」

イヌより先に追われたイノシシが飛び出しました。

走ってきます。

  ドドドドドッ・・・・

すごい勢いでおにぎりを食べていた私たちの目の前を必死で逃げていくイノシシ。

そのすぐ後ろを追って吠えながら走っていく猟犬たち。

その後ろからだいぶ遅れてきた鉄砲撃ちの人。

この人は猟犬担当の人でしょう。

何分もしないうちにふもとの方から銃声が聞こえます。

「あ、獲られたかな」

なんか、いろいろな動物、人間たちが目の前を通過して行きました。

のんびりピクニック気分で食事している雰囲気ではなくなってしまいました。

林務課の管理する山林はわれわれの他にも利用する人たちがいたのでした。


→秘密の山小屋 その4
につづく



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No title

ご愛読ありがとうございます。
行事が多くてパソコンに向かう時間もあまりありませんが、またがんばって続きを書きます。

No title

本についてコメントをくださった方、ありがとうございます。
ここでお返事させていただきます。
子どもが生まれる前に書いた本は、
「新婚旅行は無人島」草思社です。
第4刷まで行きました。
アマゾンなどでも買えます。
Yahoo かGoogleで「新婚旅行は無人島」で検索してください。
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