キャンプへ GO その7

  →その6からつづく

「荷物置いたら薪集めて来いよ」

テントを張ると、次は手分けして薪集めです。

川岸には2日前の豪雨で流れ着いた木切れがたくさんありますが、湿っていて簡単には火が着きそうにありません。
杉や松の葉やアダンの枯れ葉の乾いたのを探して着火材にします。
焚き火の周りに大きめの石を探してきて数個置いて、カマドのできあがり。

川の近くで炊事すると水を汲むにも、米を洗うのにも食器を洗うのにも便利です。
米と水の分量は目で見て大体の目分量。
これもキャンプの回数重ねるうちに会得した一つの技術ですね。

薪でご飯を炊くときは、最初からどんどん火を燃やします。

(昔から言われていた 『はじめチョロチョロ 中ぱっぱ……』 と言うのとはちがいますね。)

沸騰してきたら少し火を弱め、ブクブクいわなくなったらさらに薪を抜いて火を弱めます。

ほとんど炎のない状態のカマドの余熱で炊き続けます。

シュゥシュゥと蒸気が小さくなっておこげの匂いがしてきたらカマドから下ろして地面の上に置きます。
10分蒸らしたらできあがり。

ご飯を蒸らしている間に先に寝床の準備。

テントは雨が降った場合に備えての荷物のための物。

夏の亜熱帯のジャングルは蒸し暑くてテントの中では快適には寝られません。

「ここに寝るの?湿ってるじゃない。」

地面が乾いた草の上のようになっていればその上にシートを敷いて寝ればいいのですが、雨の後や水辺のようにしたがグチョグチョに濡れているときはそうはいきません。


「木の枝を折って寝場所に集めろ」

「何するの?」

「寝床にするんだよ」

「へええ」

「ゴリラは毎日木の枝や木の葉を集めてその日の寝床を作るんだよ」

木の葉ならまだしも、木の枝?

いやいや、木の枝と言っても小枝、木の先の方です。
梢の部分は集めて敷き詰めるとしなやかにたわんでフカフカのクッションのようです。
ちょっとチクチクしますが、この上にウレタンマットや寝袋を置けば最高の森のベッドになりました。

ゴリラはこういうベッドに寝ていたのか。
なんでゴリラのベッドの作り方に詳しいのでしょう。

夫はゴリラと友達だったのか。

風通しの悪いテントの中よりずっと気持ちのよいゴリラのベッドです。
夜が待ち遠しいですね。

味噌汁の準備をしていると、リーダー、

「味噌汁するんなら川エビ獲ってきたから入れてくれよ」

川にはテナガエビという淡水の食用のエビがたくさんいます。

普通は網で苦労して取るのですが、前人未到に近いようなこんな山奥のエビは人馴れしていないから、水に手足を突っ込んでも逃げません。
逆に寄って来るくらいです。

ご飯粒をえさに使うまでもなくどんどんすくえます。
エビを丸ごとお湯に入れて、エビの味噌汁完成。

「ソーセージ炒めか、じゃあ、これも入れて」

またリーダーが出してきたのは、いつの間に採ってきたのか数本のオオタニワタリの芽。

オオタニワタリはシダの仲間で、木の幹の二股に枝分かれした所に生えています。

成長した物は観葉植物としてよく喫茶店などに置いてあります。
若い芽は珍味として高級中華料理の食材になるのです。


「ジャングルにも食べる物はあるのねえ」

「遭難しても生き延びられますね」

「オレは原始時代に生まれてくるべきだったなあ」

リーダーはゴリラでなく原始人だったのでした。


第一日目の夕食は、米を炊いて缶詰やソーセージなどを使った簡単なおかず。

これに新鮮な川エビとオオタニワタリが加わって、豪華な自然食メニューになりました。

一日中歩いて疲れていたこともあって森の中の夕食はみんなご馳走に感じて食べました。

暗くなる前に、まだ濡れている服を着替えたいと思っても、男子があちこちに居て困ります。


「ミイちゃん、着替えどこでする?」

「私もさっきからウロウロしてたんですよ」

結局二人でテントから少し離れた所に行き、交代で目隠しカーテンを持ってやることになりました。

カーテンに使っている布は青年海外協力隊でタイに居たときに買って来た物です。

更紗模様の木綿の布ですが1枚あると、敷物にも、スカートにも風呂敷にもなるので、旅行やキャンプには便利です。

(これも言い忘れていましたが、夫とは協力隊でタイに行っていた時に知り合って、その縁で結婚したのでした。この話はまた後日いたします。)


脱いだ服も川でザブザブと洗濯してそこら辺の木の枝に干しておけば明日には乾いているでしょう。

夜になると焚き火の周辺以外は真っ暗で何も見えません。
川の水音がかろうじて方角を感じさせてくれます。

森の奥で鳴くフクロウやカエルの声がますますジャングルにいるのだと思わせてくれます。

ここはどこだろう、沖縄県の西表島。

それはわかっていますがアマゾンともニューギニアとも、アフリカ奥地とも言われてもそう思えます。

チラとイトマンを見ましたが、暗くて表情までは見えませんでした。

まあ、ニコニコはしていないとは思いますが。

明日はさらに上流へ進む予定です。

山を越えて西表島を縦断する計画でしたから、まだ三分の一も進んでいません。


明日もまた滝を登るんだろうか…。


考える間もなくゴリラのベッドに沈み込んで眠ってしまいました。

          →その8につづく

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No title

きれいですよ、ほんとに。
でも森の中は木に囲まれて、
残念ですが空が少ししか見えません。
海岸ならよく見えます。
牧場は毎晩☆満天の星☆でした。

No title

西表の星空はきれいなんでしょうねぇ。。v-484
それより疲労で即寝って感じですね。
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