赤ちゃん礼讃 その6

人気ブログランキングへ


最新記事がトップに来ています。

最初から読まれる方はここ「キャンプへGOその1」からどうぞ。


  →赤ちゃん礼讃 その5 からつづく

秋になりました。石垣の秋というのは11月以降です。

テッちゃんも半年の実習を終えて大学に戻って行きました。

最後に残った従業員のヨシダさんもその数ヶ月後に本土の実家の近くに転職が決まって引っ越して行きました。

そうするとこの広い牧場の仕事は夫婦二人だけできりもりするということです。

従業員募集の広告を雑誌に載せたり、貼り紙をしたりしていますが、希望者はすぐには見つかりません

二人でなんとかやっていました。

「オレの作業ズボンは?」

「昨夜洗濯して部屋に干してあるわ」

「扇風機かけっ放しだよ」

「冬は毎日雨だもの、外に干せないでしょ。乾燥機がないから一晩中扇風機回して乾かすしかないの」

そうなのです。青いサンゴ礁の石垣島、冬場は北風で天気が悪く、雨の日が多いのです。

10日以上も降り続くこともあります。

「まだ何枚もズボンあったじゃないか」

「どれも大きく破れているからダメよ」

有刺鉄線の牧柵をくぐったり、またいだりの毎日ですからそうなります。

「縫ってくれよ」

「その暇がないんだってば」

朝から晩まで仕事、夜は牧場の勤務日誌や牛の記録を細かく書く仕事があります。

雇われカウボーイですから、本社への報告義務があります。

「仕事でクタクタだし、時間もないし、まともなご飯作れないわ」

「他に炊事係りがいないからなあ」

慣れてくれば家事も上手にこなせるようになるんでしょうが、なにしろ始めたばかりのカウガールですから。

「仕方ないな、でもクリニックの先生が身体を動かして働けと言うんだから、それは外せないな」

「近くにコンビニもないし」

「スーパーでまとめて弁当買って来よう」

一番近いスーパーでも牧場から20kmはあります。

「閉店間際に行ったら半額だったよ。たくさん買ってきた」

・・・ドサッ・・・

「わ!何食分よ、そんなに」

「冷蔵庫に入れて置いて、食べる時にチーンだよ」

究極の手抜き料理です。いえ、料理とは呼べません。

毎食半額弁当の日がしばらく続きました。

夜は勤務日誌を書いて、寝る前に作業着を洗濯して部屋に干して扇風機を点けておく、という毎日でした。

昔の農家の女性はこんなだったのかな。

もしかすると今でも働き詰めの人もきっとたくさんいるはずです。


なかなか新しい従業員が見つからないので忙しく身体を動かす結果になりました。

仕事と平行して不妊治療も続いていました。

薬を服用しながら、体温表もつけています。

頻繁に上京して診察を受けるわけにはいかないので、基礎体温表のコピーをファックスで東京のクリニックに送ります。

そして日時を決めて電話で先生と話して指示を受けます。

状態に適した薬を郵便で送ってもらい、診察料と薬代を現金書留で送ります。

遠隔地の患者は通信治療です。

薬は効き目の軽いものに替わっていき、症状はよくなっていっているようです。

額に汗した分だけの成果はあるんでしょうか。

ないと困るんですけど。




赤ちゃん礼讃 その7 につづく

おねがい

 ↓クリックしてね クリックすると
↓ このブログのランキングが見られます。
 ↓ おかげ様で最近はコンスタントにコメディ小説部門2位です。
 ↓  皆様のクリックで順位が上がります。
ここ↓

にほんブログ村 小説ブログ コメディー小説へ
にほんブログ村
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

野生児の妻

Author:野生児の妻
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード