大草原の小さな家 その9


大草原の小さな家 その8からつづく


今回でキャンプに行くのは何回目になるでしょう。

1回目 新婚旅行(無人島でしたが)
2回目 友人の家族とおとなしく常識的なファミリーキャンプ
3回目 イトマン川に流される
4回目 幻の滝(マヤグスクの滝で宙吊りアトラクション)

5回目以降はもう数えていません。

たぶん10回は超えているかと…。


キャンプ出発の日が近づくとカウボーイのリーダー、ウキウキしだします。
キャンプを一番楽しみにしているのもこの人かも知れません。

実習生が来るたび、友人が遊びに来るたびにキャンプに誘っています。
と言うより、キャンプに行きたくて友人を呼んでいると言った方がいいのです。

本土から我が家に遊びに来る知り合いはアウトドア大好き人間がほとんどです。


「みんな、準備はできたか?」

「はい、荷物は自分の着替えと寝袋、割り当ての食糧と食器、これだけでいいんですよね」

「長袖、長ズボンもだぞ、夜寝るときはブヨの大群に襲われるかも知れないし」

「は?ブヨ?」

「それから、靴下。湿った道を歩くからヒルに足元を食い付かれると思う。」

「え?ヒル?!」

「ズボンの裾は靴下の中に突っ込んで肌を露出させないことだ」

「は、はあ……」

「あ、それから懐中電灯は一人1個必ず持てよ。夜はハブがいるからな」

「ハブ?!!!」

「キャンプでハブに咬まれたら終わりだな。アハハハハ」

「う、……」

キャンプ、とても楽しそう ですねえ。


出発前日になるともう一つ準備があります。

「夜になったら、カエル獲りに行くのに、二、三人付き合ってくれよ」

「何するんですか」

「ウナギ釣りのエサだよ」

そうです、この数年は例のオオウナギ釣りにすっかりハマッテしまい、
いつしかキャンプの目的は毎回大きなウナギを釣ることになっていました。

何度も試しているうちに、エサは生きたカエルが一番いいという結論に達しました。
あの番組のビデオで名人のおじさんが言っていた通りでした。

キャンプに行ってから現地でカエルを捕まえていたのでは遅いのです。
出発の前にたくさん獲って生きたまま持って行きます。

夜遅く、実習生たちを乗せてトラックはカエルの多い田んぼに向かって行きました。
田んぼ近くでは道路の方にまでカエルが出て来て獲りやすいのです。

今日は荷台ではなく助手席の、しかも外のステップに実習生は立っています。
昔のバスガールみたいです。

トラックが走り、運転手のリーダーがカエルを見つけると停まって、
ステップで外の手すりにつかまっていた人はピョンと降りてカエルをすばやく捕まえて袋に入れて、
またサッとステップに飛び乗ります。

これを繰り返して、袋に一杯獲ったカエルは元気に袋の中で跳ねています。

夜更けに帰って来ると、カエルで動いている袋を明日持つ人に預けることになりました。

「え?誰が持つんだよ」

「リュックに入れるのか」

「そしたらカエルが死んじゃうだろう」

「カエルは肥料袋に入れたまま口を縛ってそのまま肩に担ぐんだよ」

「えええっ」

「そうだ、Kさんもいるんだった、交替で持つことにしよう」

隣の牧場のKさん、今回もキャンプに参加。
Kさんはもうすぐ牧場のアルバイトを退職して島を離れる予定です。
これがお別れのキャンプになります。

白い目の粗い合成繊維の肥料袋の中のカエル、少し透けて見えています。

袋は全体が跳ねているように動いています。

すごく 楽しそう なキャンプですね。

    
  →次回 アイ ハブ ア ハブ その1につづく



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