超猛烈な台風 その4

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鉄の柱が揺れてコンクリートの屋根に当たる音が、グワン、グワンと響きます。

でもどうすることもできません。


そして今度は西側の窓越しに畑を見ると、畑の真ん中にあるミニジープがえらいことになっています。

もう廃車するというので数年前にもらって来てヤギの避難小屋にと置いただけで雨ざらしでした。

古いのでスクラップにするしかないのですが、現役の車の修理の際に部品を取ったり、道具入れに使うので置いてあったのです。

風でボンネットがめくれています。

エンジンももうボロボロだし、バッテリーも使えない状態だったのでそれはいいのですが。

ボンネットが千切れてこっちに飛んで来ないかそれが心配です。

これも今はどうもなりません。

台風が来る前なら、はずれそうなボンネットはボディにロープで縛り付けるとか、何とか手立てはあったでしょうが、まさかこんな強い風になるとは思っていませんでしたから。


やがて夕方になり、暗くなって来ました。

停電なので「電気を点けよう」ではなくて「ろうそくを点けよう」です。

「お父さんに電話しようか」

電話線は切れていますが。ケイタイは使えます。

充電ができないのでケイタイのバッテリーは節約しないといけませんが、乾電池式の充電器があるので少しくらいは使ってもいいでしょう。

「もしもし、こっちはすごい暴風だよ。それで、今さら言ってもどうしようもないんだけどさ・・・」

和歌山の実家に居る父さんに長女が説明しています

実家では帰省時以外は空き家になっているので、いつもはガスも水道も止めています。

テレビも、難視聴地域のためケーブルテレビに加盟して観ていましたが、住む人が居なくなってからはそれもやめてしまいました。

だからテレビが見られません。

父さんはケイタイも持たず、テレビも見ないので石垣がこんなにすごい台風に襲われている事を知りませんでした。

仮にテレビを見たとしても、全国ニュースや全国のお天気ではほとんど言わないでしょう。

「その柱は何とかしないと隣の柱も連られてボルトが抜けるぞ」

そう言われても・・・。

「とにかく屋上に上がって見てみろ。抜ける前にボルトを閉めなおすんだ。工具台にモンキースパナがあるだろう。それを使うんだ、再接近はこれからだろう。これ以上風がひどくならないうちに何とかするんだ!」

いえ、もう今でも充分にひどい風ですけど。


「あんな鋼材が落ちてきてガラスに当たったら家の中がメチャクチャになるじゃないか!家を守ってくれ!」

どうしよう、こんな風で屋上に上がれと・・・。

でも一応そう言われましたからやりましょう。

「私もいっしょに行くよ」

頼もしい高2の長女のきりんさんです。

ためしに一歩外に出ると、メガネが飛ばされそうになって慌てて退散。

「こりゃダメだ。メガネが・・・」

引き出しからパンツ用の白いゴム紐を出してきてめがねのイヤー部分に縛ります。即席のメガネバンドを作って再度の出陣。

もうすっかり暗くなっていたのできりんに懐中電灯で照らしてもらいます。家の前の道路を歩くだけでも飛ばされそうです。

私が先頭で階段を這い蹲るように1段ずつゆっくり登って最上段にたどり着きましたが、そこから屋上にはどうしても上がれません。匍匐前進のようにしたら進めますがそれでは仕事ができません。

おまけに目指すのは階段から一番遠い手すりの端っこ。

結局階段に取り付いたまま屋上に顔だけ出してそれ以上は上がれません。

「ダ、ダメだ!危ない。やめよう。下りた方がいい」

退散です。

「おい、どうだった?」

「ダメだわ。もう危なくて上がれなかった、

「今夜は寝るなよ」

「え?」

「もしガラスが割れたら、うちにあるベニヤ板を駆使してなんとか窓を塞ぐんだ!自分でできなかったら近所のKさんにお願いするんだ!」

Kさんというのはこの家を建築したときの棟梁をしてくれた人です。

はいはい、と言ったものの、どうにか台風が何事もなく通過してくれる事を祈るばかりです。

電池式のラジオで台風情報を聞いて、子どもたちは出された宿題をロウソクの灯りでやって、それが終わるとロウソクで遊んでいます。

疲れたのでベッドに横になっていると寝ずの番をするはずが、朝になっていました。

まだ頭がぼんやりしている時に父さんから電話。

遠く離れて詳しい情報もなく心配で一睡もできなくて、朝になってもう見回りに行って来た頃だと思って電話をしてきたのでした。

「どうだった?家の周りは無事か?」

「まだ見てないよ。これから見回りするよ」

窓を見ると、だいぶ大きく外の柱は傾いていますが下に落ちてはいません。

ガラスも割れていません。

家は無事だった。

でも畑に行くと相当ひどいことになっていました。

曲がった手すり



→つづく


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