カウボーイのお引越し その26

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またまたまたお久しぶりです。

カウボーイの引越しも何ヶ月ぶりです。

本当に長い時間のかかる引越しになってしまいました。


カウボーイの引越し 25からつづく

ここからは本当に細い農道です。

車のすれちがいはできませんが、通る車もめったにありません。

どうにか新居が見えてきました。

日は山の陰に入ってもう涼しくなっています。

住宅のすぐ下の畑にボートを下ろして移動完了。

朝出発してからここまで4kmの道のりを1艘のボート運搬が一日がかりの仕事でした。

「疲れたー」

「ああ、これですべて終わったねえ」

「長い道のりでした」

今日の4㎞の移動もそうですが、去年家を建てようと決まってから役所に通って許可をもらう所から始まり、建築、荷物運び、どれもほとんど業者に頼まず自分たちでやって来ましたから達成感もひとしおです。

「まだもう一つしなきゃならないことがあるよ」

「そうでした。もう一往復」

朝牧場の入り口に置いて来たうちの乗用車を取りに行くのです。

今度は鉄兵丸で行く必要はありません。

もっと速い乗り物がもう1台あったのです。

バイクです。

バイクに二人乗りで牧場に向かい、一人は乗用車を運転して帰る、というわけです。

乗用車が帰ってこれで本当に引越し完了、いやいや長くかかった引越しでした。

建物の建築に1ヵ月半、引越しに2ヵ月半。


「もう牧場に行く用はなくなったんだね」

ラクになったような、さびしいような。

とにかく荷物の移動は終了。

翌日近くにできたパスタ屋さんに家族五人で食事に行って引っ越し祝。

お疲れ様でした。


でもでも実は、家の中は未完成だったのです。

壁のブロックむき出しというのは初めから予定していたことですが、何と言っても室内は荷物でいっぱい。

床がほとんど見えていません。

荷物の隙間をすり抜けて移動。

トイレの前はドアが開くだけのスペースはあります。

台所もガス台と流しの前は人が立って料理するだけの空間はあります。

それ以外は荷物と建築で使ったコンパネと呼ばれる厚手のベニヤ板の大きな山が3つ。


「この荷物どうやって片付けるの?」

「うん」

この家には押入れとかクローゼットというものはありません。

最初から図面になかったのです。

農業用倉庫ですから。

引越しが済んでも相変わらず家族はコンパネの山の上でご飯を食べて寝ています。

コンパネの山の数は人数分はありません。

鉄兵は長椅子の上で、父さんは荷物の隙間にみかんコンテナを置いてその上に、あるいは天気のよい日は外で寝ています。

子供たちの机と椅子の上には荷物を積んでいませんから勉強はできます。

シャワーも入れます。

食べる場所と寝る場所、勉強する場所があるのですから一応は衣食足りているということにはなりますが。

でもねえ、いつまでも荷物の隙間をカニの横ばいのように移動する生活というのも落ち着かないものです。


引越しが済むと近所の人が様子を見に来てくれました。

「どう、少しは片付いた?手伝おうか」

と言って家の中を見た途端目を丸くします。

「な、な、何、この荷物」

「すごいでしょ」

「一体どうやって寝てるの?」

「このコンパネの山の上で。私はこの山、お父さんがこの隙間で、子どもたちはこの山とこの山と・・・」

「ご飯はどこで食べるの」

「このコンパネの山の上に持って上がってさ」

「・・・・・かわいそー」

それから我が家の荷物で埋まっているという話は、村中に口コミで電話連絡よりも速く広がっていきました。

何人もの人が用事で来たときに家の中を見て

「ホントだ、すごい荷物だね。よく今までこんなにたくさんの荷物をしまって置く場所があったね。まあ、がんばって片付けてください」

物の多さに呆れ、感心して帰って行きます。

「あれ、今の人の用事は何だったんだ?」

引越しが済んで荷物がおおかた片付く頃には、普通は引っ越し祝というか新築祝、新居の完成披露をする習慣なのですが。


できません。


「この荷物を載せる棚を作るさ」

天井を高く設計したので室内の上の方には余裕があります。

ここに鉄の丈夫な枠組みをコンクリートの壁に取り付けて、そこにベニヤ板で棚を作って荷物を載せればどんどん片付いて床が見えて来るはずです。

「材料はこれだ」

食卓兼寝床になっているベニヤ板の山。

しかしですよ、棚を設置するためには壁にしっかりと鉄の枠を取り付けなければいけません。

そのために壁際の荷物をどけないと・・・。

荷物の移動先の場所である棚はこれから作る。

そのために荷物が邪魔・・・。

というパラドックス。

なんかいつもこういうことで悩んでいる気がしますね。


カウボーイのお引越し その27 につづく

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