シロアリ・シロアリ
最新記事がトップに来ています。
最初から読まれる方はここ「キャンプへGOその1」からどうぞ。
「屋上で野宿する」話の5回目です。
→「ネズミ屋敷」からつづく
ネズミを追い出し、閉め切った家は暑くてたまらず、人間も家には居られなくなりました。
まあ、そうでなくても夏は涼しい屋上の方が気持ちよく寝られます。
屋上の野宿が数日続いたある日、階下の部屋で荷物の片づけをしていた時です。
ネズミ騒動の前まで寝室に使っていた部屋です。
床のベニヤ板に段ボール箱を置いてありました。
台所で使うラップ類を入れて何気なく置いてあった箱ですが、久々にふと開けて見ると、中の新品のラップやアルミホイルの紙の箱がボロボロ。
「な、な、なんだ!!」
取り出すとダンボール箱の底にシロアリがたくさん!
「う、うわぁ――っ!」
「どうした?!」
「またシロアリが――」
そうです、シロアリが出たのは、今年になってこれでもう5回目だったのです。
1回目は台所の床に置かれた段ボール箱とその後ろの木製の食器戸棚。
家自体はコンクリートとブロックですから、木造住宅のように壁や柱を喰われることはありません。
でも壁のブロックの隙間や地面に直についた床から侵入したシロアリは壁に着いている木製の家具、紙製の箱、布製の物を食べ尽くして行きます。
家の内側の壁はブロックむき出しで上塗りもしていません。
ブロックの隙間から出てきたシロアリが渉って来られないようにシロアリの食糧になりそうな物は壁から少し離して置くべきでした。
食器戸棚の下半分の引き出しは全てはずして外に中身ごと放り出し、殺虫剤でシロアリ退治。
2回目は反対側の壁に面した、くるみと鉄兵の勉強部屋。
これも壁に触れていた本棚とその中の雑誌類などほとんどやられていました。
ビニールで包まれたもの以外の紙製、木製の物はボロボロ。
丈夫なカラーボックスもスカスカの紙のようになってしまいます。
そして3回目はくるみの部屋の壁を挟んだ隣の部屋、つまり食糧などを置いてあるコーナーの壁。
4回目は台所の壁を挟んだ隣の部屋のベニヤ板で作った棚。
実は今回、この4回目のシロアリの場所とラップ類の箱の置かれた場所はすぐ近くだったのです。
迂闊にも段ボール箱をちょっとの間だからと、無造作に置いてそれがブロック壁に触れていたのでした。
「あああ、また大掃除だ」
場所は寝室。
「布団を全部外に出して、ベッドもだ」
これは大仕事です。
窓から簡易ベッドを苦労して出してしばらく日に当ててシロアリが居なくなるまで室内に入れられません。
これで本当に屋上で寝るしかなくなりました。
曇りで気温も下がって涼しい夜も、風がなくて蚊が多い夜も。
「いつまでベッドと布団を外に干しておくの?」
「まだまだ、1匹でもシロアリが残っていたらまた増えて同じ事だろ。徹底的に居なくなるまで家に入れちゃダメだ」
「10日間くらいは寝室は使えないと思った方がいいでしょう。
西の3畳の和室はきりんが一人で寝ています。
父さんは相変わらず屋上のトタン屋根の下に牛乳コンテナとベニヤ板で作った簡易ベッドで寝ています。
くるみと私は同じ屋上でも少し西寄りの位置にコンテナを並べてゴザを強いて寝床を作ります。
その位置でないと朝日がまぶしくて日が当って暑くて、夜明け過ぎには寝ていられなくなるからです。
夜になると目覚まし代わりのケイタイと文庫本を持って屋上のキャンプ場・・・じゃなかった簡易ベッドに寝に行きます。
風のない夜は蚊がまた「ぶんぶんぶん」。
そこで棚の奥から引っ張り出してきたのが昔懐かしい「蚊帳」です。
もう何年も使っていませんでしたが取り出してみるとポリエステル製の蚊帳はどこも傷んでいませんでした。
十分使えます。
トタン屋根の下に紐で四隅を結んで、これでかの襲撃に向かえます。
「これが蚊帳なの?おもしろーい」
今の子は蚊帳を知らないんですね。
「どうやって入るの?」
「裾を上げて虫をいっしょに入れないように気をつけて、サッと素早く入るんだよ」
快適な睡眠も2、3日の間だけでした。
台風が近づいて天気が悪くなってきたのでした。
「寝られなくなるまで屋上でがんばるぞ」
と言うか、そこしか寝るところがありません。
(ネズミとシロアリに占領されて人間が外で寝る事になるとは・・・)
しかし、天気が変わるとだんだん悲惨なことになっていくのでした。
→「自宅でホームレス」につづく
↓毎回クリックありがとうございます
↓みなさまのクリックで順位が上がります
↓1日1回のクリックを

にほんブログ村
最初から読まれる方はここ「キャンプへGOその1」からどうぞ。
「屋上で野宿する」話の5回目です。
→「ネズミ屋敷」からつづく
ネズミを追い出し、閉め切った家は暑くてたまらず、人間も家には居られなくなりました。
まあ、そうでなくても夏は涼しい屋上の方が気持ちよく寝られます。
屋上の野宿が数日続いたある日、階下の部屋で荷物の片づけをしていた時です。
ネズミ騒動の前まで寝室に使っていた部屋です。
床のベニヤ板に段ボール箱を置いてありました。
台所で使うラップ類を入れて何気なく置いてあった箱ですが、久々にふと開けて見ると、中の新品のラップやアルミホイルの紙の箱がボロボロ。
「な、な、なんだ!!」
取り出すとダンボール箱の底にシロアリがたくさん!
「う、うわぁ――っ!」
「どうした?!」
「またシロアリが――」
そうです、シロアリが出たのは、今年になってこれでもう5回目だったのです。
1回目は台所の床に置かれた段ボール箱とその後ろの木製の食器戸棚。
家自体はコンクリートとブロックですから、木造住宅のように壁や柱を喰われることはありません。
でも壁のブロックの隙間や地面に直についた床から侵入したシロアリは壁に着いている木製の家具、紙製の箱、布製の物を食べ尽くして行きます。
家の内側の壁はブロックむき出しで上塗りもしていません。
ブロックの隙間から出てきたシロアリが渉って来られないようにシロアリの食糧になりそうな物は壁から少し離して置くべきでした。
食器戸棚の下半分の引き出しは全てはずして外に中身ごと放り出し、殺虫剤でシロアリ退治。
2回目は反対側の壁に面した、くるみと鉄兵の勉強部屋。
これも壁に触れていた本棚とその中の雑誌類などほとんどやられていました。
ビニールで包まれたもの以外の紙製、木製の物はボロボロ。
丈夫なカラーボックスもスカスカの紙のようになってしまいます。
そして3回目はくるみの部屋の壁を挟んだ隣の部屋、つまり食糧などを置いてあるコーナーの壁。
4回目は台所の壁を挟んだ隣の部屋のベニヤ板で作った棚。
実は今回、この4回目のシロアリの場所とラップ類の箱の置かれた場所はすぐ近くだったのです。
迂闊にも段ボール箱をちょっとの間だからと、無造作に置いてそれがブロック壁に触れていたのでした。
「あああ、また大掃除だ」
場所は寝室。
「布団を全部外に出して、ベッドもだ」
これは大仕事です。
窓から簡易ベッドを苦労して出してしばらく日に当ててシロアリが居なくなるまで室内に入れられません。
これで本当に屋上で寝るしかなくなりました。
曇りで気温も下がって涼しい夜も、風がなくて蚊が多い夜も。
「いつまでベッドと布団を外に干しておくの?」
「まだまだ、1匹でもシロアリが残っていたらまた増えて同じ事だろ。徹底的に居なくなるまで家に入れちゃダメだ」
「10日間くらいは寝室は使えないと思った方がいいでしょう。
西の3畳の和室はきりんが一人で寝ています。
父さんは相変わらず屋上のトタン屋根の下に牛乳コンテナとベニヤ板で作った簡易ベッドで寝ています。
くるみと私は同じ屋上でも少し西寄りの位置にコンテナを並べてゴザを強いて寝床を作ります。
その位置でないと朝日がまぶしくて日が当って暑くて、夜明け過ぎには寝ていられなくなるからです。
夜になると目覚まし代わりのケイタイと文庫本を持って屋上のキャンプ場・・・じゃなかった簡易ベッドに寝に行きます。
風のない夜は蚊がまた「ぶんぶんぶん」。
そこで棚の奥から引っ張り出してきたのが昔懐かしい「蚊帳」です。
もう何年も使っていませんでしたが取り出してみるとポリエステル製の蚊帳はどこも傷んでいませんでした。
十分使えます。
トタン屋根の下に紐で四隅を結んで、これでかの襲撃に向かえます。
「これが蚊帳なの?おもしろーい」
今の子は蚊帳を知らないんですね。
「どうやって入るの?」
「裾を上げて虫をいっしょに入れないように気をつけて、サッと素早く入るんだよ」
快適な睡眠も2、3日の間だけでした。
台風が近づいて天気が悪くなってきたのでした。
「寝られなくなるまで屋上でがんばるぞ」
と言うか、そこしか寝るところがありません。
(ネズミとシロアリに占領されて人間が外で寝る事になるとは・・・)
しかし、天気が変わるとだんだん悲惨なことになっていくのでした。
→「自宅でホームレス」につづく
↓毎回クリックありがとうございます
↓みなさまのクリックで順位が上がります
↓1日1回のクリックを

にほんブログ村
スポンサーサイト