カウボーイのお引越し その18

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カウボーイのお引越し その17からつづく

新居で何とか寝る場所は確保できました。

鉄兵は東京に行っていますから、とりあえず四人分の寝床ができればいいわけです。

ベニヤの山が三つで三人分、そしてもう一人は籐の長椅子にクッションを並べてベッド代わりにした物。

朝はここから引越し作業のために牧場に向かって出発です。

牧場はもう水道を止めてしまいましたから、飲み水を持って行きます。

新居の建築中は毎日牧場から現場までキーパーで飲み水を運んでいましたが、今度はその反対です。

住宅の中の荷物はだいぶ運び込みました。

おかげで40坪の新居は荷物で満杯。

人がくつろげる場所はベニヤ板の山の上しかありません。

ある程度動ける空間は、トイレと浴室と脱衣所と台所の調理台付近だけになりました。

それでもまだまだ作業は終わらないのです。


20年も住んでいる間に家を使いやすいように棚を作ったり、生き物を飼っていたのでその放し飼いの柵を設置したりしていたのでした。

今回引っ越すに当たり、私物は全て撤去して外回りも原状回復します。

ヤギを放し飼いしていた頃の広い柵の金網は針金で何箇所も縛ってあったので、それをペンチで一本ずつはずします。

またここでも子どもたちが活躍です。

金網を支えていたのは地面に深く打ち込んだ鉄筋です。

これも引き抜きますが、作る時にはハンマーでしっかり打ち込んであったのでなかなか抜けません。


「ぬおーっ!!」

「ダメだ、抜けない」

「よし、ロープを掛けて・・・」

ユンボの力を借ります。

    グウォ――ン

エンジンの音がしたと思ったら、たこ焼きの楊枝を抜くようにするりと簡単に抜けていきます。

油圧ショベルの力はすごい!

イノシシの小屋も移動です。

以前大半が山に逃げてしまいましたがまだオスとメスの二匹います。

「イノシシどうやって連れて行くの?」

「檻に入れてトラックで運ぶしかないだろう」

またあの柵の内側に人間が下りて檻の中に追い込むんでしょうか?

あんな恐怖はいやです。


「ユンボを使って檻を柵の中に下ろす。エサを撒いて檻の中にイノシシが入った時に入り口のふたを閉める。ガシャーンだ」

どこかで聞いたようなセリフです。

たしかあの時は失敗して最後までイノシシを捕まえられませんでしたけど。

ユンボを運んで来て吊り上げて柵の中にゆっくりと下ろします。

イノシシは何事が起きたとかと興奮気味でしたが、間もなく落ち着いてきました。

やっぱり野生のイノシシとはちがって馴れています。

イノシシがすっかり安心して来た頃、父さんはユンボのアームを伝わって檻の上に立ちました。

イノシシは檻の周りを回っていましたが、檻の中にエサを入れてあるので出入りしています。

奥の方に入った時をねらって手早くドアを閉めます。

ガシャーンという音はしませんでした。もう一匹も同じように捕獲。

「あれ、呆気なく捕まったね」

どんだけ大捕り物になるかと期待、じゃなくて心配してましたが意外と簡単に捕まえられました。

これを吊り上げてトラックの荷台に載せるのもユンボです。

名前の元の鉄兵は不在ですが、代わりに「鉄兵丸」大活躍。

イノシシの檻二基はちょうど2トントラックの荷台に納まりました。

これは新しい畑の脇に平らな土地を用意しておいたのでそこに設置します。

ゆくゆくは広い丈夫な柵を作って広々と放牧してやる予定です。

今のところはそんな余裕はないのでしばらくは狭い檻の中で暮らしていてもらいます。

イノシシの引越しが終わってこれでまずは一安心。

今までは寝泊りが新居に移っても、イノシシのことが気になっていたのです。

「無人になったらイノシシ盗まれるぞ」

「まあ、凶暴なイノシシを生け捕りにして無事に盗み出せる人はいないと思うけど」

「生け捕りとは限らないさ。鉄砲で撃って持っていく奴がいるかも知れないだろう」

「それはそうだけど・・・」

「夜は大人のどちらかが交替で泊まった方がいいな」

「電気も水道もない牧場の家で寝るのお?」

扇風機も使えず、台風でもないのに電気もない所で一人で寝るのはおもしろくありません。

イノシシが移動できて、宿直の番をしなくてよくなったのでヤレヤレです。


昼になると持って来たパンやおにぎりで簡単な昼食をしてまた夕方まで作業です。

電気がないので日が暮れたらもう仕事は終わりです。

荷物で埋まっているとは言っても水道も電気もある家は快適です。

夕食ができると家族のいる山に運んでやるのです。

「はい、ご飯を受け取って」

ベニヤの山の上から手を伸ばして皿を取って壁のない「個室」というか個人のスペースで食事です。

私もご飯を持って山によじ登ってその上で食べます。

「あら、高い所から見下ろして食べるのも悪くないわねえ」

やっぱりキャンプ家族です。


カウボーイのお引越し その19につづく

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