台風接近を無人島の人に知らせるには

  人気ブログランキングへ

 最新記事がトップに来ています。

最初から読まれる方はここ「キャンプへGOその1」からどうぞ。



無人の海岸でのキャンプのお話です。


キャンプ3日目に、予定通りに弟家族はチャーター船に行ってもらって帰ってきました。

「どうだった?キャンプ」

「いやあ、きりんちゃんたち行かなくて正解だったかもよ」

「?」

「波は高くてあんまり泳げないし、水に入ると寒いし。」

「じゃあ、食べ切れないほど魚を獲るぞー、って言ってたのは?」

「貝を少し採ったけど、天気もよくないし、魚はあんまり獲れなかったわ」


水中ライトも持って、夜潜って魚をどっさり獲ると言ってましたけど。

2歳の姪っ子はほとんど海で泳げずに、夕方になると「オウチ カエリタイ」

を連発していたらしいのです。


後日、毎回なので顔なじみの船長さんに聞いたところでは、

「あの弟の嫁さんはなんかひどく疲れた顔しててカワイソーだったな。二度と行かないだろうな。」

弟の奥さん東京育ちです。

キレイ好きで、弟のアパートにはゴキブリなど一匹もいません。

川の水を飲んでレプトスピラに罹るのが心配だからと飲料水も持参したくらいです。


「で、島に残った中年二人組みは予定通りに8日に帰って来るのかな?」

「いや、魚獲るのを満足してないから後2日延長して帰るのは10日にするって。」

ああ、やっぱり。


まあ、別に仕事もないし、いいですけど。

問題はいっしょにキャンプしている北海道の獣医さん。

この方もキャンプ大好き人間なようです。

帰りの飛行機は12日なので、それに乗るためには10日に石垣に戻った方がいいのです。

その後、キャンプ組からは電話もメールも何も連絡がありません。


弟はまめにメールくれてましたけど、団塊世代の獣医さんはメールは得意ではなく、父さんは電話を持っていません。

持っていてもメールはできませんが。

ウェットスーツも星座早見版も届けたし、自然生活を楽しんでいるのでしょうか。


そして5日後、インターネットを見ていると、フィリピンに熱帯低気圧発生。

弱い熱低だし、西に向いて進んでいるから、まあいいか。


と思っているうちに、弟からメール。

「熱低のこと兄貴に知らせたいから獣医さんの電話番号教えて」

ううん、やっぱり知らせるか。


夕方になると台風1号に変わりました。

進路もどうやらこちらに向いて来るようです。

あれれれ、これじゃ10日には船を出せる状態じゃないかも・・・。

でも電話してもメールしても反応ありません。

『・・・・電源が入っていないか、電波の届かない所に・・・・』


獣医さんは持参したカメラを濡らしたと言っていましたから、もしかして電話も濡らしてしまったのかな?


1日に1回くらいは電源入れてメールを見て欲しいなあ。


船長さんにも電話を入れます。

「ああ、今すぐは返事できないから明日の朝電話するよ。」

台風が近づいて迎えを早める時には連絡するということになっていますが、連絡のつけようがありません。


そして翌朝、なかなか繋がらなかった船長に電話が通じて、

「台風がこっちに来そうだけど、迎えはどうなりますか?」

「ああ、もう今日迎えに行くから。3時頃向こうに着くから準備しておくように伝えておいて」

「へ?今日?!」

キャンプ組から電話が来ないということは台風が発生していることも知らないのでしょう。

小さなラジオを持って行っているはずなんですけど。

天気予報を聞いていないんでしょうか。

何度電話しても、通じません。

連絡がつかないままいきなり船が迎えに来たら、キャンプしている二人は焦るでしょうね。

あたふたして食器や寝袋を大急ぎで片付ける様子が目に浮かびます。


10時過ぎになってやっと電話が入りました。

「着信がありましたが・・・」

「メール見てくれましたか?」

「は?」

「台風が発生したんですよ。今日の3時に迎えに行くっていうから支度してください」

「は、は、はいっ」

翌日には波が高く船で遠出は無理でしょう。

念のために今日にも船を陸に上げるかロープで縛るかするはずです。


夕方真っ黒に日焼けした二人が帰って来ました。


前夜に獲った大物の魚をゆっくり食べようと、腰を落ち着けていた所に向かえの連絡をもらって慌てたそうです。

鍋にはアバサー汁が入っているし、大きなイラブチャーは3匹丸ごと残っています。

これから後3日間あるからとのんびりしていたのに、急に帰り支度をしなければならなくなったのです。

アバサー汁はビニール袋に汁ごと入れたそうです。

イラブチャーはすでに蒸し焼きにして火は通してありましたが、船が到着するぎりぎりまで火で炙って燻製にして保存できるようにしていました。

大風呂敷を広げた荷物もなんとか取りまとめて波が荒れる前に帰って来られました。



持ち帰ったアバサー汁はその日のうちに沸かし直しておいしく食べられました。

翌日は台風の影響で天気が悪くなりました。

燻製のイラブチャーは身をむしって野菜とニンニク、唐辛子、ナムプラーと炒めてご飯に載せて、タイ風の料理にして食べました。

これはおいしかったですよ。

台風の日に食べるタイ風のおかず。なんちゃって。


結局、台風と言っても 998hPaですからたいしたことはありません。

あさってにはまた熱低に変わるでしょう。


「あああ、あと2日間キャンプするはずだったのになあ」

「台風で天気が悪いのにキャンプしても楽しくないでしょ」

それにあの時に迎えに行ってもらわなかったら台風が過ぎるまで船は出なかったでしょう。

獣医さんは必然的に飛行機に乗り遅れることになります。


それでもよかったかも。


「ラジオ聞いてなかったの?」

「NHKの電波入らないよ」

「あら」

「台湾の放送はよく入る」

中国語ができたらよかったのにね。


「ケイタイも全然電源入れないのね。」

「そんなに見ないよ。それにケイタイの電波の入らない浜に移動していた時もあったし」

それじゃあ緊急の連絡が取れないでしょ。



「2ヶ月くらいキャンプに行ってたら怒る?」

「別に怒らないわよ」

「帰って来たら暖かく迎えてくれる?」

「帰って来たら家の中はもぬけの殻と思ってね」

「へ?」

「家族そろって出て行きますから」

「・・・・・・・・・・・・・・・」



何も制約がなかったら1年くらいキャンプしたいらしいですね。


子ども達がみんな独立したらどうぞご自由に。台湾のラジオ放送で天気予報やニュースが聞けるように中国語を勉強してからにしたら?

2ヶ月に1度くらい「ゆうパック」で米と醤油でも送ってあげるよ。

郵便屋さんが届けてくれればの話ですが。

「沖縄県竹富町西表島カノカワ海岸にいるキャンパー宛」

で届くでしょうか?


↓毎回クリックありがとうございます
↓みなさまのクリックで順位が上がります
↓1日1回のクリックを

にほんブログ村 小説ブログ コメディー小説へ
にほんブログ村

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

野生児の妻

Author:野生児の妻
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード