カウボーイのお引越し その7

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カウボーイのお引越し その6からつづく

現場への水運びと建築材料の買い物のほかにもう1つ、大事な仕事が私にはあったのです。

引越しのための荷物まとめです。

新しい倉庫が完成したら、いえ、完成しなくても壁と屋根ができてドアと窓で塞がれるようになったらすぐ荷物を移動しなければなりません。

住宅の明け渡し期限はとっくに過ぎています。

でも建築ができるまでは引っ越すこともできないので、何とか牧場オーナーに待ってもらっているのです。

もう一人のカウボーイの野鳥さんは早々とアパートを見つけて引っ越して行きました。

野鳥さんは独身男性ということもあって、もともと荷物は少ない方でした。

動物は、イヌを二匹飼っていましたが、ペットOKのアパートだったので問題はありません。

我が家の方は五人家族、おまけにこの二十年間、飼った物、もらった物、拾って来たものが山のようにあります。

拾うことはあっても捨てるということはしないカウボーイ家族です。

強いて言えば生ゴミと鼻をかんだ紙くらいでしょうか。

壊れた電気ポットでも、もう乗らなくなった小さな自転車でも、動かなくなって廃車にしてもいい車でも、そのまま牧場の片隅に置いてあります。

今の時代は捨てるにもお金がかかるからでもありますが、一番は、

「まだ何かに使えるかも知れない」から取っておくのです。

壊れた鍋は家畜の水飲みに、古い水道の鉄パイプは牛舎の柵の修理に、金網の切れ端は鶏小屋の穴塞ぎに、となんでも用途はあるのです。

電気ポットのヒューズが切れてしまった時、捨てておいた別のポットの中からヒューズだけを取り出して付けて復活させました。

使用中の車が壊れるたびに、臓器移植のように廃車から部品を取りだして修理に使って重宝しました。

「この際だからどんどん要らない物を捨てようよ」

「要らない物なんてここにはない!」

「だけどさあ、こんなの要る?食べないでしょ」

数年前に賞味期限が切れた調味料、いつのものか判らない乾物。

「悪くなってないだろ。水に浸けて戻せば食べられる。捨てない!」

そんなに全部持って行ったら家にに入り切らないんじゃないの?」

「イヤ、入る。入れるの!」

でもねえ、倉庫とは言ってもせっかく新築の家に引っ越すのに、またガラクタに埋もれて暮らすのか?

ええい、捨てちゃえ。

何年前のものか分からないカラメルソースのビンがいくつも出てきたので昼のうちに他の空き瓶のゴミといっしょに出して置きました。

すると珍しくその日は仕事が早く終わって帰った父さん、

「おい、これが間違えてゴミといっしょになってたから回収しておいたぞ。捨てるなよな」

(拾うなーーっ!!)

「普段使わない荷物は住居の方じゃなくてコンテナ倉庫に入れて置く」

家そのものが倉庫ですから、収納の押入れなどは初めから設計図にありません。

なので、分厚い鉄でできたコンテナ倉庫を買いました。

家ができるまでは建設の資材や道具をしまうのにも鍵のかかる倉庫が必要です。

倉庫を作るための倉庫です。

よく港で見かける直方体の鉄の塊のような巨大コンテナです。

中古ですが頑丈なのを二棟買って現場においてあります。

注文して運んできたセメント袋など、雨がかからないようにこの中にしまっておきます。

重い鉄の扉を開くと中は8坪くらいの広さ。

これが二棟あるから相当の物が入りそうですが、牧場の我が家の荷物はそれ以上です。

普通は引越しの歳に涙を飲んでいろんなものをジャンじゃん捨てて行くんじゃないのか?


毎年転勤の時期の三月には街のゴミ捨て場には転勤族の出した物でまだ使える上等な物がたくさんあります。

転勤というと海を渡って外の島に移動するのですから、飛行機や船で運ぶことを考えると捨てて行ったほうが安くつくということでしょう。

うちは引越し先はわずか四kmですからトラックで往復する回数が増えるだけです。

どうせ一回の往復では運べません。

それどころか何十回運搬しなければならないのか気が遠くなります。

建築が始まってすぐに荷物整理に入りましたがそれだけで何ヶ月もかかりそうです。

建築完成のほうが早くなるかも知れません。

「先ずは使わない本やよそ行きの服から段ボールに詰めて・・・」

荷物の入った段ボールが廊下や部屋の隅に積み上がって行きます。

「これじゃ、荷物で生き埋めになっちゃうよ、もう置く所がない」



カウボーイのお引越し その8につづく


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