イノシシ天国 その15

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イノシシ天国 その14からつづく

ある日、子どもを学校に送って行ったときに学校の近くのSさんに会いました。

「ねえねえ、牧場のイノシシ逃げたって言ってたでしょ」

「え?」

どうして知ってるの?!あ、このまえ遊びに来た子か。家に帰ってお母さんに話して、お母さんが近所のひとと会話して・・・。

「それが何か?」

「昨日隣村の学校のPTAにイノシシ肉の寄付があってね」

「はい・・・」

イヤな予感。

Sさんは隣村で仕事をしていたこともあるし、顔が広いのです。耳も早いけど。

「そのイノシシは、隣村のUさん、あなたも知ってるでしょ、牛飼い仲間だから」

「うんうん、・・・・・・・」

ますますイヤな予感。

「そのUさんがお宅の牧場のすぐ裏の山に入って鉄砲で獲ったんですって」

ドキッ!!!!

「大きくて、よく太って、普通のイノシシとちがってたって」

ガーーン!!!!!!!

「毛の色も、肉の色もちがったって言ってたよ」

ああああああ、決定的。グスン。

「・・・・・・・・・・」

「お宅が飼ってたイノシシって本土のもので種類が違うって言ってたよね」

「うん、そうだけど・・・・」

「獲れたイノシシはそれじゃなかったの?」

たぶんそうです、いえ、まちがいなくそうです。

そりゃあ、よく太っていたはずです。

毎日エサをやって囲いの中でのんびりくらしていたのですから。

でも、それはうちのイノシシだ、なーんて言ってもその証拠はないし。

主張するとかえって困ることになります。

イノシシを逃がしたという責任がかかってきます。

近くの畑は山のイノシシの被害が多くて農家の人は迷惑していたのです。

畑の作物をかじったり、草の根を食べるために牧草地を鼻で掘って荒らしたり。

そういう害獣を放してしまったということが知れたら苦情が来ないとも限りません。

それにしても、今まで何年もエサをやり続けていたのは何のためだったの。

和歌山の田舎から何時間も車を運転して関空まで運び、人間並みに高いペット貨物料金を払って飛行機に乗せて連れて来たイノシシが・・・。

本土産のイノシシと地元のリュウキュウイノシシといっしょに飼って掛け合わせを育てるんだということでしたけど。結局両者の間に子どもは産まれず、雑種のイノシシを作ることはできませんでした。

牧場に遊びに来たお客さんに見せて自慢していただけでした。

『食用にしないのにどうして買っているんですか』と聞かれて、

『毎日エサをやっているだけです』と答えていた父さん。

でも、毎日エサをやっていたのは私なんですけど。



「残念だったね、獲られちゃって」

考え込んでいた私を気遣って気の毒そうに声をかてくれるSさん。

「え?あ、う、うん・・・・・・」

「それで、そのイノシシだけど」

「はい」

「すぐそばでもう一頭、合計二頭獲ったんだって」

「えーーーーーーーーーーっ!二頭とも獲られちゃったの?!」


ギャフン!


カウボーイのお引越し その1につづく

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