イノシシ天国 その7

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イノシシ天国 その6からつづく

巨大ネズミ捕り型のイノシシ捕獲作戦は失敗でした。

1匹だけなら獲れたんでしょうが。

鴨取り権兵衛みたいに一網打尽を考えていたわけではないでしょうが、2匹いっぺんに獲ろうとするものだから。

二兎を追う者・・・じゃなかった、

「二猪を追う者は一猪をも得ず」

発音してみましょう。

(ニチョヲオウモノハ イッチョヲモエズ)、

なんか、口の中がねちょねちょしてきたような気がします。


それからもイノシシ狩りにはまだ熱が冷めず、放牧場の見回りに行く度に、

「あそこの放牧場にも来てるな、地面を鼻で掘ったあとがある」

「放牧場で何の見回りしてるのよ、イノシシの足跡見るのも仕事なの?」

「当たり前だろ、牧草の生え具合を見るついでに、草の根をあらされてないか確かめるんだよ」

「イノシシが牛の害になる、と?」

「そう、大事な牧草の根をかじられる」

有害鳥獣なので捕獲する大義名分が立つということですね。


そして、冬の冷たい雨の続く季節になったころになりました。

「見つけたぞ、イノシシの通り道」

「あ、そう」

「森から藪の中の一箇所を通って東の5区の放牧場に出入りしてる」

「また檻でガシャーンですか?」

「いや、あそこは車は乗り入れない方がいい」


その日から、今は牛を入れていないその区画の放牧場も毎日見回りの中に加えられました。

ある日の夕方、

「いた、いた!何匹もいるぞ」

日が暮れかかっていた時刻に見回りから帰ってきて騒いでいます。

「ようし、草に隠れて待ち伏せして獲るぞ」

今度は魚を突くときに使う長い柄の付いたモリを持ち出しました。

柄の先に強力なゴムが付けてあってこれを引いて一気に放すと勢いよくモリは飛んで行き、魚を獲れるのです。

水中でもかなりの威力ですから、地上ではイノシシでも近づけば獲れます。

新婚旅行で無人島に12日間行ったときには、実際にこれで森の中でイノシシを獲ったという経験もありますから、あながち荒唐無稽な話ではないのです。

「暗くなる前に草に隠れていた方がいいな」

「今日行くの?気を付けてね」

「アンタにも手伝ってもらうんだよ」

「えええっ!だって鉄兵がいるのに」

まだ乳飲み子です。

「鉄兵は家に置いていくか、・・・」

ムリです。

親がちょっとでも見えなくなると不安がって部屋を這い出して来てしまいます。近所に預ける家もありません。

「どんな仕事よ?」

「放牧場の上の道路にいて見渡してほしいんだ」

「見てるだけ?」

「イノシシの群れがどの辺りに移動したか見て草に隠れているオレに教えてもらいだいんだ。コレで・・・・」

「あ、トランシーバー」


親戚の人にもらった小型のトランシーバーです。

障害物がなければ500mくらいは電波が通じます。

牧場が広いので牧区の端にいる人に連絡したいときは使えると思ったのですが。

牧場があまりにも広くて途中に障害となる丘があったり、相手が電源をオフにしていると呼び出せないという欠点もあって、あまり使いませんでした。

一度使ったのは、家から見える林道の上で何人かで酒を飲んでた時に、家に居る私に

「つまみを持って来てくれ」と言ってきたときでした。

まだ携帯電話が普及する前のことです。

舗装道路の上でただ見張っているだけの仕事ということなので、仕方なく鉄兵をオンブして行くことにしました。

日が沈む頃になるとショボショボと雨も降ってきました。

この雨の中を行くの?

赤ん坊負ぶって?

・・・変なイノシシ狩り・・・。


イノシシ天国 その8につづく


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