カウボーイのお引越し その28

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→カウボーイのお引越し その27からつづく
だいたい、いつからこんなに家の中に物が増えていったのでしょう。
新婚当時は実に簡素な生活でした。
「家に物があふれているなんて馬鹿げてるよ。生活に最低限必要な物があればいいんだ。できるだけ質素な生活にしよう。シンプル・イズ・ザ ベスト だよ」
と言っていたはずなのに。
新居であった牧場の2DKの住宅に実家から送った荷物は
『できるだけ少なく』
『物に埋もれないで簡素な生活をしよう』
という共通見解の下、極力減らして来たのです。
婚礼家具も持ち込まず、食器も調理器具も新しいセットの物ではなく、もらい物を数個。
家具も、私達が越してくる前に、前任者が使用していた物で間に合うならそれを使おうという事になっていました。
六畳ほどの広さのDKに置かれてあったテーブルは直径1mの電線コイルでした。
椅子代わりに使っていたのはどこから切り出してきたのか、あるいは拾ってきたのか、丸太を切ったものでした。
そして使っていた食器はと言うと実家からもらって来た誰かの結婚式の引き出物のお茶碗が三客、結婚祝にいただいた有田焼のサラダボウルなどの大皿が二枚。
スプーンが大1本、小1本。
必要な物はその都度少しずつ買い足して揃えていこうという考えでした。
それが、まだ自家用車を持たなかったので、20㎞離れた市街地に買い物にいくのは牧場のトラックでエサを買いに行くついで、ということでゆっくりと街で過ごす時間がなかったのでした。
当然しばらくは少ない物で生活していたのです。
夫婦二人ですから、茶碗が三つでもご飯は食べられます。
味噌汁をつけるとなるとちょっと不便。
新婚の妻としては夫にご飯と味噌汁を盛って提供。
そして自分のご飯を三つ目の茶碗に盛ると、味噌汁を入れる容器がありません。
仕方なく、ご飯を食べ終わってから、空になったご飯の茶碗に冷めた味噌汁を入れて後から飲む。
あるいは、味噌汁を飲みながらご飯を食べたければ、相手が食べ終わるのを待って、洗って今度は自分がご飯と味噌汁の食事、と交代で食事をする。と言う具合です。
カレーライスがメニューの時は、カレースプーンは1本、カレーを食べるのにちょうどいい皿は1枚しかないので、これも夫に。
妻は茶碗によそったカレーライスを、小さなコーヒースプーンかお箸でカレーを食べるということになります。
これは十分に『不便』な生活ではないでしょうか。
鍋はいくつか持ってきましたが、初めはキャンプ用のコッヘルばかり使っていました。
運び込んだ荷物の箱を開けて片付けないと台所用品が出てこないからです。
12日間の西表の無人島に新婚旅行から帰ると、その間に届いていた荷物の箱は新居の二間の和室からあふれて狭い廊下まで積み上げられていたのです。
私の荷物が多すぎたのではありません。
『簡素な生活』を提案した夫が送ってきた箱の方が多かったのです。
「捨てるのもったいないし実家に置いておいても仕方ないから送ってきた」という理由で、
「どうしてこんな使いかけの短い鉛筆持ってくるのよ!」
「まだ使えるんだ、もったいないだろう」
「鉛筆なんて数本あればいいでしょ。こんなに一箱も要らないでしょ!!」
「子供が生まれても買わなくてもいいし・・・」
「孫の代まであるわっ!」
物が増えるのを防ぐには「買わない」忍耐力と、「捨てる」決心、もう一つ「やたらと拾ってこない」注意が必要なのです。
「もったいない」精神も度が過ぎるとタイヘンなことになります。
→カウボーイのお引越し その29 につづく
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