カウボーイのお引越し その13

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→カウボーイのお引越し その12からつづく
大きい仕事が終わって一区切りがついたところで2、3日休みになります。
が、これから数日間は毎日しなければならない作業があります。そ
れは屋根に入れたコンクリートが生乾きのうちに水を撒くことです。
「早く乾いて欲しいのに、なんでわざと水を撒くの?」
「こんなに暑いカンカン照りの日は水を撒きながら乾かさないとヒビが入っちゃうんだよ」
そうか、セメントの中心部分と表面とで乾き具合がちがって、ということは縮み方もちがうからヒビが入るのかな。
子どもの送り迎えに学校に来たついでに現場に寄って毎日二回ほど広い屋根の上にジョウロで水を撒きます。
撒いたそばからどんどん蒸発していきます。
夏至を過ぎていました。
水道はまだ敷設されていません。
飲み水は毎日運んできていましたが、仕事で使う水は溜め池の水を使っていました。
家を建てる前に整地してもらった近所の土建業の人にお願いして、敷地の山側に直径3mほどの穴を掘ってもらったのです。
ここに山から流れてきた雨水を溜めます。
建物の方に水が流れてこないように、また溜めた水は何かと利用できて便利なので、一石二鳥です。
このため池のおかげでセメントを練る水にも使えたし、汚れた手足を洗うのにもとても役立ちました。
池まで行って手を洗うのは不便なので、モーターポンプで汲み上げてドラム缶何本にも移して使いました。
池があふれるくらいの大雨が降ることもあります。
それも想定内です。
この辺りのスコールの雨量はすごいのです。
池の上部に太いパイプを入れて、その先は地面の下を通り、畑の下の低い土地の方に余った水が送られるようにしておきました。
これで大雨でも池は氾濫しません。
このパイプを通ってきた水はドラム缶に受けて、またここでも溜めて置きます。
こちらでも畑や家畜にこの雨水を使うのです。
むだはありません。
もちろん屋根のコンクリートに撒く水もこの雨水です。
屋根が乾くまでサポートの柱ははずせません。
その間にまだまだすることはたくさんあります。
200m離れた道路の水道管から水を引くこと。
外壁のブロックに上塗りのセメントを塗ること。
電柱を立ててもらい電気を引くこと。
隣の民家(200m先)近くの水道管の本管から道路のアスファルトをはがして、という王道の方法で支線を引いてもらうと、何十万円もかかります。何百万円かもしれません。
どうしても業者でないとできない部分以外は自分たちでパイプを通すことにしました。
本管から現場までの土地の半分以上はうちの畑です。
隣接の畑の持ち主にも許可を取って畑の中を深く掘ってパイプを埋めます。
またまた小型パワーショベル「鉄兵丸」が大活躍です。
そして本領発揮のマムさん。
外壁は雨が降っても水が滲み込まないようにブロックの上にセメントを塗ります。
室内では浴室だけをセメントで壁塗りをします。
ここだけはシャワーの水がかかります。
こういう仕事は器用な棟梁が慣れていてきれいに塗ってくれます。
サポートをはずすと、中は広い空き倉庫状態です。
次なる仕事は、固まったコンクリートの柱や天井の型枠のコンパネの板をはがすことです。
バールではがした板から釘を抜き取っていくのは子どもたちの仕事。
みんな慣れたもんです。
台所の柱の型枠の板もはがされました。
一度爆裂して急いではめ直したあの柱です。
「ん?なんか、目がおかしいのかな?」
「おかしくないよ」
「気のせいか、この柱ゆがんで見える」
「気のせいじゃないよ、あふれたセメントがふくらんで固まったんだよ」
柱の途中、根元近くがふくらんでいます。
凸面鏡か凹面鏡の部屋にいるようです。
「なんか目が回る・・・」
まあ、鉄筋が入って、セメントが固まったんですから構造上問題はないでしょう。
見た目の問題です。
いえ、この柱の前に冷蔵庫や食器棚を置いてしまえば見えなくなるからいいかな。
「この柱、お腹がふくらんだみたいで、なんかこういうの教科書で見た覚えがある」
「なに?」
「あ、思い出した、エンタシスだ」
「は?、何だ?」
「やっぱり遺跡だあ」
→カウボーイのお引越し その14につづく
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